なんだ、これはと思われたことでしょう。
大岡 信(おおおか まこと1931-2017)さんの詩の題です。この詩は、すべて「ひらがな」で書かれています。はるのうみから始まって、なつのうみ、あきのうみ、ふゆのうみ、しんねんのうみと続いています。魚や海藻、最後は鳥の名前と、日本人の暮らしの中にあった懐かしい言葉が並びます。声に出して読むことをお勧めします。韻を踏むところもあり、リズムのある詩です。
読んでわかると思いますが、現代では通じない言葉や表記があります。私たちは、知らないうちに沢山のものを失っているのかもしれません。若い人なら、尚更、わからないと思います。
今週は、気温が20℃に届く日も多くなるようです。この調子でいくと5月には夏日も出てくるのではないかと心配になります。言葉は書いて残すことができますが、「はる なつ あき ふゆ」の季節を失ったら、二度と取り戻すことはできないでしょう。そんなことが起きないように願うばかりです。
以下に、一部抜粋します。本来ならば縦書きであるべきですが。
はるのうみ
あぶらめ めばる
のり わかめ みる
いひだこ さはら さくらだい
はまぐり あさり さくらがい
やどかり しほまねき
ひじき もづく いそぎんちやく
なつの うみ
よづり いかつり
やくわうちゆう くらげ
きす あなご ちぬ
とびうを かははぎ べら をこぜ
いしだひ はまち おほだこ
いさき かんぱち ままかり
てんぐさ ふなむし ふのり
(中略)
しんねんのうみ
おほはしのはつわたり
はつひので
なぎ
こども
おとな
うみかぜ
かもめ
